NPO法人かごしま子どもと自然研究所

褒めない

2021/10/28

褒めない。

今週、彼はずっとこの竹と格闘してきた。足の裏でわずかな節の凹凸を感じとり、そこを踏み場に登るのだが、何しろこの上なくツルッツルッの竹。おまけに雨。50㎝進むにも全体力を消耗してしまう。そこで、もう一本、わずかに節の凹凸が大きく、表面が少しざらついている細竹を並行して添えることに。これまで何度も諦めそうになっていたが、このアイデアが功を奏して、4日かけ、初めて一人で最後まで登りきることができた。子どもって、時々こんな風にコツコツすごいことを成し遂げたりする。その姿に感動することはしばしばで、今回もこの感動的な場面をある大人に共有したのだが、『彼は皆に称賛されて、どんなに嬉しかっただろうねえ🎵』と言われ、初めて彼を褒めてない自分たちに気がついた。

そういえば、森ではあまり子どもたちを褒めることをしない。いや、子どもたちが褒められるための行動をしないのだ。これは子どもを含む周囲が『とりあえず』褒めるとか、『やみくもに』『安易に』『とにかく』褒める、みたいなことをやめたことから始まった気がする。

彼がやりたかったことは、あくまで『一人で登る』こと。『とうとうやり遂げたんだね』という共感や、その瞬間を見守ってくれていたということによって『ぼく✨できた‼️』という手応えをより強く感じただろうし、彼自身も見ていた側もそれで大満足だった。十分ハッピーだった。わざわざ『褒める』『褒めてもらう』必要はなかった。

彼は今後も、自分の中から沸き起こる好奇心やモチベーションに突き動かされて、新たな挑戦をしていくのだろう。君には『ご褒美のアメちゃんや美味しいニンジンはいらない』ということだね🎵

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